Infineon、コロナウイルス不振後の売上高回復を予測
ロイター
2020年11月8日
ドイツのチップメーカーであるInfineonは、コロナウィルスの流行による打撃を考慮し、配当の減額を経営陣に提案したにもかかわらず、同社の株価を上昇させました。
ミュンヘンに本社を置くパワーチップのスペシャリストである同社は、100億ドル規模の米Cypress Technologies社の買収が完了する直前の3月に、コロナウィルスの被害を受けて業績見通しを下方修正したが、その後は自動車業界の回復によって持ち直しています。
ラインハルト プロス最高経営責任者(CEO)は、Infineonの収益の5分の2を占める自動車部門について、「前四半期比の増収は非常に大きく、6月期が低水準であったことを裏付けている」と述べました。
パンデミックの影響と、各国が第二波の感染と戦っている現在進行中のリスクを考慮し、経営陣は9月30日に終了する会計年度の配当を5セント引き下げ、22ユーロセントにすることを提案しました。
Infineonの株価は3.1%上昇し、ジョー バイデン氏の米大統領選勝利で上昇したドイツ市場を上回りました。
自動車ドライバー
Infineonは、新年度の第1四半期の売上高が、通常の季節的な落ち込みではなく、横ばいになると予想し、2021年度の売上高が22.6%増の105億ユーロ(125億ドル)になると予測しました。
Citiのアナリスト、アミット ハルチャンダーニ氏は、サイプレスの統合による影響を考慮した上で、基礎的なトップラインの成長率を10~11%と見積もっています。
IHS Markit社が予測する来年の世界の小型車販売台数は600万台減の8,300万台だが、電気自動車とハイブリッド車の成長はInfineonの強みになる、とプロス氏は言います。
同氏は、Infineonの来年の売上高成長の半分以上は自動車部門によるものになると付け加えました。また、サイプレスを統合することで、セグメント利益率(経営陣が事業部門の営業利益率を示す指標として好んで使用する)を13.7%から16.5%に拡大することができます。
この見通しはVaraリサーチによるアナリストの調査とほぼ一致しており、終了したばかりの年度の業績もアナリストの予測や同社が再発表したガイダンスに近いものでした。